岩国で艦載機離着陸訓練 2000年以来 17~26日 夜間も 騒音 県市「容認できぬ」
25年9月13日
在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は12日、空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)を17日から米軍岩国基地(岩国市)ですると発表した。26日まで、夜間を含めて実施される。中国四国防衛局はこの日、米側の方針を岩国市に伝えた。一方、訓練は激しい騒音を伴う。福田良彦市長は「到底容認できない」との見解を示し、実施しないよう求めた。(大平健幹、藤田龍治)
同司令部によると、FCLPを実施している東京・小笠原諸島の硫黄島で火山活動が継続し、訓練が困難になったため。FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて戦闘機などが離着陸を繰り返す。岩国基地では2000年を最後に実施されていない。
同防衛局によると、訓練には空母ジョージ・ワシントンを母艦とする岩国基地所属の艦載機のうち、最新鋭のステルス戦闘機F35Cなど固定翼機全5種が参加する。期間は17~26日。土日祝日を除き、午後1時半~4時半と午後6時45分~9時45分に実施される。
岩国基地は硫黄島が使えない場合の予備施設の一つとなっている。今回は米側が、代替地として岩国を使いたいとの意向を伝えてきたという。
防衛局の深和岳人局長が岩国市役所を訪れ、冒頭を除いて非公開で福田市長と面会し訓練について説明した。福田市長は訓練の取りやめを米側に求めるよう要請したという。福田市長は終了後の取材に「FCLPをしないよう国や米側には繰り返し要請してきた。基地周辺住民に一層の負担を強いるものだ」と述べた。16日に上京し、防衛省幹部たちに直接、実施しないよう求める。
防衛局の担当者はこの日、山口県庁も訪れて米側の方針を説明した。県側は岩国ではFCLPをしないよう申し入れたという。村岡嗣政知事は「日常的に航空機騒音に悩まされている基地周辺住民に、なお一層の負担を強いる。到底容認できない」とのコメントを出した。
陸上空母離着陸訓練(FCLP)
米空母艦載機のパイロットの着艦技術を維持・向上させることを目的とした訓練。国内では硫黄島(東京都)が暫定的な訓練場所になっている。岩国基地と硫黄島は約1400キロ離れている。防衛省は硫黄島からの移転を見据え、岩国基地から約400キロ離れた鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地の建設を進めている。
(2025年9月13日朝刊掲載)
同司令部によると、FCLPを実施している東京・小笠原諸島の硫黄島で火山活動が継続し、訓練が困難になったため。FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて戦闘機などが離着陸を繰り返す。岩国基地では2000年を最後に実施されていない。
同防衛局によると、訓練には空母ジョージ・ワシントンを母艦とする岩国基地所属の艦載機のうち、最新鋭のステルス戦闘機F35Cなど固定翼機全5種が参加する。期間は17~26日。土日祝日を除き、午後1時半~4時半と午後6時45分~9時45分に実施される。
岩国基地は硫黄島が使えない場合の予備施設の一つとなっている。今回は米側が、代替地として岩国を使いたいとの意向を伝えてきたという。
防衛局の深和岳人局長が岩国市役所を訪れ、冒頭を除いて非公開で福田市長と面会し訓練について説明した。福田市長は訓練の取りやめを米側に求めるよう要請したという。福田市長は終了後の取材に「FCLPをしないよう国や米側には繰り返し要請してきた。基地周辺住民に一層の負担を強いるものだ」と述べた。16日に上京し、防衛省幹部たちに直接、実施しないよう求める。
防衛局の担当者はこの日、山口県庁も訪れて米側の方針を説明した。県側は岩国ではFCLPをしないよう申し入れたという。村岡嗣政知事は「日常的に航空機騒音に悩まされている基地周辺住民に、なお一層の負担を強いる。到底容認できない」とのコメントを出した。
陸上空母離着陸訓練(FCLP)
米空母艦載機のパイロットの着艦技術を維持・向上させることを目的とした訓練。国内では硫黄島(東京都)が暫定的な訓練場所になっている。岩国基地と硫黄島は約1400キロ離れている。防衛省は硫黄島からの移転を見据え、岩国基地から約400キロ離れた鹿児島県西之表市の馬毛島に自衛隊基地の建設を進めている。
(2025年9月13日朝刊掲載)