岩国米軍FCLP 拒否要請 きょう開始予定 市長、国に
25年9月17日
在日米海軍は17日、米軍岩国基地(岩国市)で空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)を始める。激しい騒音を伴うため、岩国市などは実施しないよう強く求めているが、在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は16日、予定通り始める方針を示した。岩国基地では25年ぶりとなる。
FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てた訓練で、戦闘機などが離着陸を繰り返す。従来の訓練場所の硫黄島(東京都)で火山活動が起き、本土の予備施設の一つである岩国基地を使うことになった。
岩国市の福田良彦市長たちは16日、外務省に岩屋毅外相を、防衛省に中谷元防衛相をそれぞれ訪ね、訓練取りやめを米側に求めるよう要請した。国側は硫黄島の火山活動に触れ、少ない準備期間で訓練できる岩国で実施せざるを得ないとする米側の考えを説明。訓練取りやめの可能性には言及しなかった。
国側は、周辺住民の負担を最小限にとどめるよう米側に申し入れた結果として「訓練は土日祝日は除く。午後10時以降は実施されないことになった」と繰り返し、理解を求めた。面会後、記者団の取材に応じた福田市長は「訓練が重要で必要なことは理解しながらも、(岩国での実施は)認められない。ここは堅持する」と強調した。
一方、在日米海軍司令部は16日の中国新聞の取材に、訓練を予定通り17日に始めると明言。「日本の皆さまの騒音への懸念を認識しており、地元住民への影響を最小限にとどめるよう努める」との考えを示した。
訓練は17~26日の土日祝日を除き、午後1時半~4時半と午後6時45分~9時45分にある見通し。岩国市は実施された場合、訓練の監視や騒音測定、苦情の受け付けの体制を強化するとしている。(長久豪佑、堀晋也、宮野史康)
(2025年9月17日朝刊掲載)
FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てた訓練で、戦闘機などが離着陸を繰り返す。従来の訓練場所の硫黄島(東京都)で火山活動が起き、本土の予備施設の一つである岩国基地を使うことになった。
岩国市の福田良彦市長たちは16日、外務省に岩屋毅外相を、防衛省に中谷元防衛相をそれぞれ訪ね、訓練取りやめを米側に求めるよう要請した。国側は硫黄島の火山活動に触れ、少ない準備期間で訓練できる岩国で実施せざるを得ないとする米側の考えを説明。訓練取りやめの可能性には言及しなかった。
国側は、周辺住民の負担を最小限にとどめるよう米側に申し入れた結果として「訓練は土日祝日は除く。午後10時以降は実施されないことになった」と繰り返し、理解を求めた。面会後、記者団の取材に応じた福田市長は「訓練が重要で必要なことは理解しながらも、(岩国での実施は)認められない。ここは堅持する」と強調した。
一方、在日米海軍司令部は16日の中国新聞の取材に、訓練を予定通り17日に始めると明言。「日本の皆さまの騒音への懸念を認識しており、地元住民への影響を最小限にとどめるよう努める」との考えを示した。
訓練は17~26日の土日祝日を除き、午後1時半~4時半と午後6時45分~9時45分にある見通し。岩国市は実施された場合、訓練の監視や騒音測定、苦情の受け付けの体制を強化するとしている。(長久豪佑、堀晋也、宮野史康)
(2025年9月17日朝刊掲載)