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米軍、岩国にタイフォン展開 日米訓練 地上配備型のミサイル発射装置

 米陸軍は15日、米軍岩国基地(岩国市)に展開させた地上配備型のミサイル発射装置「タイフォン」を報道陣に公開した。日米共同の大規模実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」の一環で岩国基地に運び込んでいる。日本国内での展開は初となる。

 岩国基地内の格納庫前で、発射台を搭載した車両と指揮統制車両を公開した。米軍によると、装置はこの日までにC17輸送機で空輸した。訓練では弾薬の搭載のほか、米海兵隊や自衛隊が持つ他のシステムと一体的に運用するための演習に臨んでいる。実弾射撃はしない。

 米陸軍・第3次元多領域任務部隊司令のウェイド・ジャーマン大佐が取材に応じ、「車両搭載型で、必要な時に迅速に展開できる。地域一帯の安全保障に資するものだ」と述べた。

 また大佐は、岩国基地は港湾も備えており、艦船による輸送もできるため、装置の展開場所として「重要だ」と指摘した。海上輸送による今後の岩国展開について「計画はない」としつつ、「さまざまな手段の輸送による訓練機会を模索している」と話した。

 レゾリュート・ドラゴンは今月11日から25日まで、九州や北海道の自衛隊施設などで実施されている。米軍は訓練終了後にタイフォンを日本から撤去する。

 タイフォンは迎撃ミサイル「SM6」や巡航ミサイル「トマホーク」が搭載可能。岩国への展開を巡っては、ミサイルの射程に含まれる中国やロシアの政府が反発している。(長久豪佑)

(2025年9月17日朝刊掲載)

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