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平和と非戦 宗教界に期待 東京 被団協の箕牧さん講演

 昨年のノーベル平和賞を受賞した日本被団協の箕牧(みまき)智之代表委員(83)=広島県北広島町=が17日、東京の築地本願寺であったフォーラムで講演した。「生きている間、被爆、核兵器、平和、戦争について世界へ訴え続ける」と非戦を唱え、宗教界の取り組みに期待した。

 箕牧さんは、爆心地から約17キロの飯室村(現広島市安佐北区)の自宅前で広島からの避難者を目撃したと証言した。小学5年の時、4カ月間学校を休む大病を患った。暮らしは貧しく、働きながら定時制の高校を卒業したと振り返った。

 後半は僧侶で宗教学者の釈徹宗さん(64)と対談。「兵隊への憧れがあった」と打ち明けた箕牧さんに、釈さんは当時の雰囲気を尋ねた。箕牧さんは「向こう三軒両隣と母がよく言った。皆で仲良くして戦争に勝つという思想教育だった」と振り返った。

 箕牧さんは終了後、政府の防衛費増を懸念し「戦争をするのではないかと心配。お寺でも戦争や原爆、世界の情勢に触れてほしい」と述べた。

 フォーラムは、浄土真宗本願寺派が主催し、門徒の箕牧さんを招いた。412人が聞いた。(宮野史康)

(2025年9月18日朝刊掲載)

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