[被爆80年] 平和考える 七宝焼の世界 ミュージアム 21日開館 東区にNPO 被爆者田中さん作品常設
25年9月18日
被爆者の田中稔子さん(86)=広島市東区=が手がけた七宝焼を通して平和を考えるミュージアムが21日、同区牛田東にオープンする。親交のあるNPO法人ピース・カルチャー・ビレッジ(PCV、西区)が、被爆体験と向き合いながら創作してきた田中さんの作品を常設し、語り合う場にもしたいと実現させた。(桧山菜摘)
アトリエを備える田中さん宅に隣接する木造2階建て家屋を改築し、延べ約80平方メートル。「Peace Culture Museum」と名付けた。来場者が作品について思いをはせ、話し合える和室も設けた。
田中さんの作品は主に平面で壁に掛けて展示する。高さ1・8メートルの大作も。常設する13品は日展などの受賞作で、原爆や祈りをテーマに焦土の広島に芽生えた草木などをイメージしている。銅などを下地にガラスの粉末を混ぜたうわぐすりを塗り重ね、高温で100回以上焼き上げた。
田中さんは爆心地から約700メートルの水主町(現中区)から牛田町(現東区)へ移り住み、被爆した。数カ月後、焼け野原の元自宅跡に生えた草木に励まされた。「その時に感じた希望などを作品に込めている」と話す。
午前9時~午後6時。1グループ12人まで入場でき、利用料は90分間で9千円。ウェブサイトから予約を受け付ける。PCV専務理事の住岡健太さん(40)=中区=は「郊外にあり、建物の維持費などもかかるが、末永く作品を大事にしたい。被爆者の思いに触れ続けられる場所になれば」と意気込む。整備費の一部をクラウドファンディングで30日まで募っている。
(2025年9月18日朝刊掲載)
アトリエを備える田中さん宅に隣接する木造2階建て家屋を改築し、延べ約80平方メートル。「Peace Culture Museum」と名付けた。来場者が作品について思いをはせ、話し合える和室も設けた。
田中さんの作品は主に平面で壁に掛けて展示する。高さ1・8メートルの大作も。常設する13品は日展などの受賞作で、原爆や祈りをテーマに焦土の広島に芽生えた草木などをイメージしている。銅などを下地にガラスの粉末を混ぜたうわぐすりを塗り重ね、高温で100回以上焼き上げた。
田中さんは爆心地から約700メートルの水主町(現中区)から牛田町(現東区)へ移り住み、被爆した。数カ月後、焼け野原の元自宅跡に生えた草木に励まされた。「その時に感じた希望などを作品に込めている」と話す。
午前9時~午後6時。1グループ12人まで入場でき、利用料は90分間で9千円。ウェブサイトから予約を受け付ける。PCV専務理事の住岡健太さん(40)=中区=は「郊外にあり、建物の維持費などもかかるが、末永く作品を大事にしたい。被爆者の思いに触れ続けられる場所になれば」と意気込む。整備費の一部をクラウドファンディングで30日まで募っている。
(2025年9月18日朝刊掲載)