[被爆80年] 核廃絶へ 米市民と交流 WFCの平和使節団 あす出発 シンポ参加や学校訪問
25年9月18日
広島市中区のNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC)が被爆80年に呼びかけ結成した平和使節団が19日、米国へ出発する。被爆者や平和活動に取り組むメンバーが、中西部オハイオ州のウィルミントン大平和資料センターを訪問。シンポジウムに出席するほか、各地で原爆の被害や核兵器廃絶に向けた個々の取り組みを伝え、市民と交流する。
平和資料センターは1975年、WFCを設立し広島市の特別名誉市民になった米国人平和活動家バーバラ・レイノルズさん(15~90年)が集めた原爆関連の文献を中心に収蔵し開設した。メンバーは9月29日~10月1日にある創立50周年の記念シンポで講演するほか、アーカイブ(保存記録)の重要性を考える学術会議などに参加する。
西海岸のポートランドでは今月20日から地元の高校や教会、高齢者の集会所を巡り、それぞれの体験や思い、活動を発表して意見交換する。続いてシアトルにも滞在し、広島で被爆者のための家を建てた米国人フロイド・シュモーさんを描いた絵本を小学校で読み聞かせするなどの活動をする。
メンバーは、広島で4歳の時に被爆した石川行弘さん(84)=鳥取市、いずれも被爆2世で広島市の被爆体験伝承者の庄田政江さん(75)=大阪市、甲斐晶子さん(69)=広島市東区、被爆3世の池田三十朗さん(23)=中区=の4人が全日程に参加する。27日までの西海岸の活動には、安芸区出身の関西学院大1年森上知夏さん(19)=兵庫県西宮市、崇徳高2年宮本桜さん(17)=安佐南区=の2人も加わる。
WFCによる使節団の派遣は、レイノルズさんが提唱した62、64年の「世界平和巡礼」から連なる草の根の国際交流だ。立花志瑞雄(しずお)理事長(70)は「レイノルズさんの遺志を継ぎ、日米の市民同士のつながりで活動は続いてきた。使節団のメンバーにも米国で議論や交流を深めてもらい、平和な世界の実現に近づけたい」と話す。(山本祐司)
(2025年9月18日朝刊掲載)
平和資料センターは1975年、WFCを設立し広島市の特別名誉市民になった米国人平和活動家バーバラ・レイノルズさん(15~90年)が集めた原爆関連の文献を中心に収蔵し開設した。メンバーは9月29日~10月1日にある創立50周年の記念シンポで講演するほか、アーカイブ(保存記録)の重要性を考える学術会議などに参加する。
西海岸のポートランドでは今月20日から地元の高校や教会、高齢者の集会所を巡り、それぞれの体験や思い、活動を発表して意見交換する。続いてシアトルにも滞在し、広島で被爆者のための家を建てた米国人フロイド・シュモーさんを描いた絵本を小学校で読み聞かせするなどの活動をする。
メンバーは、広島で4歳の時に被爆した石川行弘さん(84)=鳥取市、いずれも被爆2世で広島市の被爆体験伝承者の庄田政江さん(75)=大阪市、甲斐晶子さん(69)=広島市東区、被爆3世の池田三十朗さん(23)=中区=の4人が全日程に参加する。27日までの西海岸の活動には、安芸区出身の関西学院大1年森上知夏さん(19)=兵庫県西宮市、崇徳高2年宮本桜さん(17)=安佐南区=の2人も加わる。
WFCによる使節団の派遣は、レイノルズさんが提唱した62、64年の「世界平和巡礼」から連なる草の根の国際交流だ。立花志瑞雄(しずお)理事長(70)は「レイノルズさんの遺志を継ぎ、日米の市民同士のつながりで活動は続いてきた。使節団のメンバーにも米国で議論や交流を深めてもらい、平和な世界の実現に近づけたい」と話す。(山本祐司)
(2025年9月18日朝刊掲載)