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[被爆80年] アーカイブの重要性確認 米大の平和資料センター50周年記念行事 カープと復興 題材に発表も

 米オハイオ州のウィルミントン大で始まった平和資料センター設立50周年の記念行事は2日目の9月30日、学術会議が開かれ、アーカイブ(保存記録)の重要性について考える公開討論があった。(ウィルミントン発 山本祐司)

 「証言者としてのアーカイブ」をテーマに、広島市立大(安佐南区)名誉教授のロバート・ジェイコブズ氏とシカゴ大名誉教授のノーマ・フィールド氏が登壇した。オンラインでトロント大教授の米山リサ氏も加わった。

 3人は核エネルギーを使う原発の危険性を主張。政府が出す情報が必ずしも正しいとはいえないとし、米山氏は「歴史を知る上でアーカイブが大切になる」と強調した。ジェイコブズ氏は、放射線障害は発症まで時間差があり未解明な部分も多いため「環境と人体の変化そのものも保存すべき記録になる」と紙以外の重要性を指摘した。

 29日から続くシンポジウムでは、広島市中区のNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(WFC)の平和使節団メンバーが発表した。被爆3世の池田三十朗さん(23)=中区=は、被爆地の復興に広島東洋カープの存在が勇気を与えたと学生たちに説明し、スポーツの持つ力を伝えた。

 記念行事は最終日の1日にも学術会議がある。

(2025年10月2日朝刊掲載)

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