核戦争防げ 医師ら議論 IPPNW世界大会 長崎で開幕
25年10月3日
世界各国の医師たちが核戦争防止と核兵器廃絶を目指す核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の第24回世界大会が2日、長崎市で開幕した。被爆80年に合わせ、初めて長崎での単独開催。3日間の日程で35カ国・地域の医師たち約330人が核兵器が人体に与える影響や被爆医療の知識を共有し、核軍縮に向けて果たす役割を議論する。
開会行事では、ノーベル平和賞を昨年受賞した日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)が登壇し「核兵器の非人道性を専門的な立場から徹底的に明らかにしてほしい」と期待した。IPPNWのカルロス・ウマーニャ共同代表は「人々の生命を守る医師が核による脅威を伝え、団結して行動しよう」と呼びかけた。
原爆による人体への影響を考える全体会議では長崎の被爆者で医師の朝長万左男さん(82)が講演。放射線によって白血病やがんの発症が増え、「生涯にわたって心身の健康リスクを負っている」と訴えた。長崎で被爆した三瀬清一朗さん(90)の証言やウラン採掘による人体や環境への悪影響を考えるワークショップもあった。
3日は核抑止のリスクや核兵器禁止条約の在り方を話し合う全体会議があり、最終日の4日に大会宣言を発表する。
IPPNWは東西冷戦期の1980年に米国と旧ソ連の医師が中心となって創設。85年にはノーベル平和賞を受賞した。世界大会の日本開催は広島市であった2012年以来13年ぶり。(鈴木大介)
(2025年10月3日朝刊掲載)
開会行事では、ノーベル平和賞を昨年受賞した日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)が登壇し「核兵器の非人道性を専門的な立場から徹底的に明らかにしてほしい」と期待した。IPPNWのカルロス・ウマーニャ共同代表は「人々の生命を守る医師が核による脅威を伝え、団結して行動しよう」と呼びかけた。
原爆による人体への影響を考える全体会議では長崎の被爆者で医師の朝長万左男さん(82)が講演。放射線によって白血病やがんの発症が増え、「生涯にわたって心身の健康リスクを負っている」と訴えた。長崎で被爆した三瀬清一朗さん(90)の証言やウラン採掘による人体や環境への悪影響を考えるワークショップもあった。
3日は核抑止のリスクや核兵器禁止条約の在り方を話し合う全体会議があり、最終日の4日に大会宣言を発表する。
IPPNWは東西冷戦期の1980年に米国と旧ソ連の医師が中心となって創設。85年にはノーベル平和賞を受賞した。世界大会の日本開催は広島市であった2012年以来13年ぶり。(鈴木大介)
(2025年10月3日朝刊掲載)