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被爆直後の医療紹介 IPPNW会場で広島県医師会

 長崎市で2日始まった核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会に合わせ、広島県医師会が大会会場で、米軍による原爆投下後の広島の医療を紹介するポスター展を開いている。

 広島市医師会の医師の9割に当たる270人が原爆の被害に遭い、県内各地の医師が救護に駆け付けた状況などを縦119センチ、横84センチのポスター9枚で説明している。

 安佐郡伴村(現安佐南区)の開業医だった伴冬樹医師による1945年8~9月の死亡診断書も紹介。当初は「ガス中毒」などとしていた死因の記述が、次第に「放射線障害」などに変わっており、被爆者の死を医学的に記録する際の苦慮を伝える。

 北九州市の医師藤尾裕宣さん(66)は「自らも被爆しながら被爆者の治療に尽力した先輩たちの姿に感銘を受けた」と話していた。ポスター展は4日まで。(鈴木大介)

(2025年10月3日朝刊掲載)

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