「声合わせ 核被害根絶へ」 広島で世界フォーラム 植民地主義や健康問題指摘
25年10月6日
広島市中区で5日に始まった「世界核被害者フォーラム」には、世界からあらゆる核被害を根絶することを目指す活動家たちが集った。被爆80年の節目に被爆地から「国境を超え、声を合わせよう」と訴えた。
ウラン採掘や精錬がテーマの討論では、米国、インド、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)の現状を当事者たちが報告した。米国のリオナ・モーガンさん(44)は、先住民居留地を横断してのウラン輸送を阻止する運動などを続ける。先住民が古来暮らす土地で原爆開発やウラン採掘が進められてきた歴史を「収奪と文化的資源の搾取」だと強調。「核」は植民地主義と深く関連していると解説した。
インドの社会活動家アッシシ・ビルリさん(34)は、ウラン鉱山がある東部ジャドゥゴダの出身。がんや流産に苦しむ人が多い一方、鉱山労働を生活の糧にする人もいる。反対運動は困難を伴うが「地域と人間を守るため、弾圧や不当な扱いを受けても声を上げている」と力を込めた。
コンゴは登壇者が体調不良のため代読による発表。ベルギーによる植民地支配の中で、シンコロブエ鉱山から原爆開発に使われたウランの大半が米国に供給された歴史をひもといた。スマートフォンなどに使われる希少金属も産出することから、現在は違法採掘が後を絶たず、労働者の健康問題が置き去りになっていることも報告した。(小林可奈)
(2025年10月6日朝刊掲載)
ウラン採掘や精錬がテーマの討論では、米国、インド、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)の現状を当事者たちが報告した。米国のリオナ・モーガンさん(44)は、先住民居留地を横断してのウラン輸送を阻止する運動などを続ける。先住民が古来暮らす土地で原爆開発やウラン採掘が進められてきた歴史を「収奪と文化的資源の搾取」だと強調。「核」は植民地主義と深く関連していると解説した。
インドの社会活動家アッシシ・ビルリさん(34)は、ウラン鉱山がある東部ジャドゥゴダの出身。がんや流産に苦しむ人が多い一方、鉱山労働を生活の糧にする人もいる。反対運動は困難を伴うが「地域と人間を守るため、弾圧や不当な扱いを受けても声を上げている」と力を込めた。
コンゴは登壇者が体調不良のため代読による発表。ベルギーによる植民地支配の中で、シンコロブエ鉱山から原爆開発に使われたウランの大半が米国に供給された歴史をひもといた。スマートフォンなどに使われる希少金属も産出することから、現在は違法採掘が後を絶たず、労働者の健康問題が置き去りになっていることも報告した。(小林可奈)
(2025年10月6日朝刊掲載)