核被害者 連帯を確認 世界フォーラム開幕 広島で きょうまで
25年10月6日
原爆や原発事故などの核被害者が集う「世界核被害者フォーラム」が5日、広島市中区で始まった。広島と米国の反核2団体が2日間の日程で開催。初日は日韓の被爆者や、核兵器や原発の原料となるウラン採掘に従事した元労働者たち5カ国の計14人が、被害の実態を証言した。
開会セッションで、主催団体の一つ「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表は、ウラン採掘や核実験の過程で「虐げられ、搾取され、抑圧される立場の民衆が犠牲になってきた」と強調。人類や地球の未来を守るために連帯する必要性を説いた。
この日は「核サイクル被害現場から」のセッションを始めた。原爆被害を巡り、広島で胎内被爆した韓国原爆被害者協会の李圭烈(イギュヨル)会長が登壇した。日本政府の植民地政策の末に韓国人が被爆を強いられながら、日本国内に比べ支援が遅れた歴史に言及。原爆を投下した米国も含め「謝罪と賠償を求める」と主張した。
米国でのウラン採掘に関しては、元労働者フィリップ・ハリソンさんがビデオで語った。多くの住民が危険性を知らされないまま鉱山で働き、父も43歳でがんで亡くなったと明かした。土地の除染は進まず「悪夢が続いている」と述べた。
フォーラムは2015年に続く開催で、HANWAと米国の市民団体「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」の共催。この日は約350人が聴いた。6日は米国の核実験場となったマーシャル諸島や、福島第1原発事故などの被害住民による報告がある。「広島宣言」と「世界核被害者の権利宣言」の採択も予定する。(下高充生)
(2025年10月6日朝刊掲載)
開会セッションで、主催団体の一つ「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表は、ウラン採掘や核実験の過程で「虐げられ、搾取され、抑圧される立場の民衆が犠牲になってきた」と強調。人類や地球の未来を守るために連帯する必要性を説いた。
この日は「核サイクル被害現場から」のセッションを始めた。原爆被害を巡り、広島で胎内被爆した韓国原爆被害者協会の李圭烈(イギュヨル)会長が登壇した。日本政府の植民地政策の末に韓国人が被爆を強いられながら、日本国内に比べ支援が遅れた歴史に言及。原爆を投下した米国も含め「謝罪と賠償を求める」と主張した。
米国でのウラン採掘に関しては、元労働者フィリップ・ハリソンさんがビデオで語った。多くの住民が危険性を知らされないまま鉱山で働き、父も43歳でがんで亡くなったと明かした。土地の除染は進まず「悪夢が続いている」と述べた。
フォーラムは2015年に続く開催で、HANWAと米国の市民団体「核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト」の共催。この日は約350人が聴いた。6日は米国の核実験場となったマーシャル諸島や、福島第1原発事故などの被害住民による報告がある。「広島宣言」と「世界核被害者の権利宣言」の採択も予定する。(下高充生)
(2025年10月6日朝刊掲載)