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[戦後80年 備後] 戦時下の品物で考える平和 福山 市人権平和資料館で企画展

 市民たちから寄せられた戦争や平和に関する資料を紹介する企画展が、福山市丸之内の市人権平和資料館で開かれている。旧日本軍の装備品や防空頭巾など約240点が並ぶ。11月24日まで。

 福山海軍航空隊での特攻出撃で吹かれた信号ラッパは初公開。1944年のフィリピン・レイテ沖海戦で損傷し、その後沈没した重巡洋艦「熊野」から生還した信号兵が使っていたという。「ムネニ モエタツ ソコクアイ」などと子どもたちに愛国心や軍隊への憧れを抱かせようと意図したかるたもある。

 戦後80年に合わせて企画した。寺地靖仁副館長(68)は「かるたには戦時中の正義が書かれているが、裏では多くの被害や侵略を生み出していた。展示を通じて、真実をしっかりと見る力を養うきっかけにしてほしい」と話している。

 月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入館料100円、高校生以下と65歳以上無料。(頼金育美)

(2025年10月5日朝刊掲載)

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