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平和ガイド 地元向け充実 修学旅行生案内 経験生かす 市観光ボランティア協 結成25年

 結成25年を迎える広島市観光ボランティアガイド協会が、地元向けの活動を充実させようと市内の小学校などにガイドの活用を呼びかけている。平和記念公園(中区)を中心に活動し、昨年度は過去最多の約5万2千人を案内した。県外の修学旅行生が大半を占めており、培ったノウハウを「地元広島の子どもたちにも役立てたい」と願う。(桧山菜摘)

 通常は予約制で園内約10カ所を約1時間で巡り、1グループ(上限10人程度)を1500円で案内している。依頼は、県外の学校が例年8~9割を占める。地域活動で地元の子どもに接する同協会の伊藤健司さん(71)=安佐南区=たちが「意外と平和公園を知る機会は少ないのではないか」と、市内の小学生向けのガイドを思い立った。

 試験的に中区の公立小に無償で利用を呼びかけると、5校から依頼があった。メンバーが各校を訪れ、公園ができた経緯などを教える事前学習会を開き、後日に園内の碑などを巡る。

 9月中旬には千田小の6年生約120人を案内した。同校では平和記念公園や園内の碑について詳しく学ぶ機会はないという。児童は園内が被爆前は繁華街だったと聞くと、驚きの声を上げていた。廣本綸(いと)さん(11)は「原爆慰霊碑そばの平和の灯(ともしび)をはじめ、込められた意味までは知らないものがたくさんあった」と話した。

 今後は市内全域の小学校向けのガイドについて有償も含め検討する。さらに市民や旅行客向けに10、11月は毎日、園内のガイドを1人当たり500円で受け付ける。予約不要。希望者は午前10時50分までに原爆ドーム北側に集まる。

 同協会は2000年10月に結成し、現メンバーは195人。これまで延べ約70万人を案内してきた。柴田武志会長(78)=中区=は「原爆被害をはじめ広島の歴史を分かりやすく伝えてきた経験を広く生かしたい」と意気込む。同協会☎082(222)5577。

(2025年10月7日朝刊掲載)

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