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50年代の広島地図 復刻 再建進む街の状況刻む あき書房

 広島市一帯の古地図を復刻販売している南区の古書店「あき書房」が、被爆による壊滅から街の再建が進む1950年代の二つの地図を復刻した。地図上に公共施設や商店の名称が書かれ、当時の街の状況が伝わる。

 一つは51年発行の「広島商工案内地図」。現在のJR山陽線一帯の南側を詳しく描き、東西は向洋駅付近から草津地区までを収める。基町(現中区)の広島児童文化会館や比治山(現南区)の原爆傷害調査委員会(ABCC、現放射線影響研究所)などの戦後にできた施設名を記し、市内のバス路線図も載せている。

 もう一つは55年ごろ発行の「広島市街地図」。ほぼ同じエリアを収め、52年完成の平和大橋(現中区)や55年開館の原爆資料館(同)が示されている。県産業奨励館の残骸は「原バクドーム」と表記され、現在の呼び名の浸透がうかがえる。

 代表の石踊一則さん(78)は「広島の復興をたどるのに役立てば」と話す。いずれも千部発行、1100円。あき書房☎082(255)1916。(水川恭輔)

(2025年10月7日朝刊掲載)

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