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「黒い雨」早期救済訴え 広島地裁で弁論

 広島原爆の投下後に降った「黒い雨」の被害者救済を巡り、国が2022年4月に運用を始めた新たな被爆者認定基準の下で被爆者健康手帳を申請し、却下されるなどした広島県内の住民84人が県と広島市に却下処分の取り消しなどを求めた集団訴訟の口頭弁論が7日、広島地裁であった。原告側が意見陳述し、早期の全員救済を改めて求めた。

 原告側は準備書面で個別の被爆状況や被爆地点を明示。代理人の竹森雅泰弁護士は「(県や市が審査の参考にする)三つの降雨域の範囲外でも黒い雨が降らなかったということはできない」と主張。「被爆から80年がたち、原告らに残された時間には限りがある。迅速な審理と原告ら全員の救済を求める」と訴えた。

 弁護団によると、県内の23人が23年4月に広島地裁へ提訴。その後に8回の追加提訴があり、今後も原告が増える見通しという。(山本真帆)

(2025年10月8日朝刊掲載)

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