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空の玄関に「核なき世界」 広島空港で巨大壁画制作中

 核兵器廃絶の願いを込めた巨大な壁画の制作が、広島空港(三原市)で進んでいる。手がけるのはメキシコ人壁画家の姉弟2人で、日本被団協などが協力。9月下旬から約3週間で仕上げ、完成作をお披露目する。

 世界25カ国以上で壁画を描いてきたアドリー・デル・ロシオさん(41)と弟カルロス・アルベルトGHさん(39)。空港近くに滞在し、高所作業車に乗ってペンキで色鮮やかに仕上げている。

 テーマは、核廃絶を成し遂げ、原爆犠牲者や証言活動に尽力した被爆者たちの喜ぶ世界。広島県被団協の初代理事長を務めた故森滝市郎さんや、1982年にノーベル平和賞を受賞したメキシコの外交官、故アルフォンソ・ガルシア・ロブレスさんを描き、広島と同国の友好関係も表現した。

 広島と長崎の被爆者の証言も聞いて構想を深めたという2人は「空港から国境を超えて、全人類にメッセージが届いてほしい」と願っている。

 制作費はクラウドファンディングなどで賄った。15日に現地で関係者を招いて完成披露式を開く。(岩崎新)

(2025年10月10日朝刊掲載)

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