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[被団協ノーベル賞発表1年] 「再び被爆者をつくるな」 東京で被爆80年の集い

情勢に懸念 記憶継承訴え

 日本被団協のノーベル平和賞受賞決定から1年となった11日、運動の継承を掲げた被爆80年の集いが東京都内であった。日本被団協など20団体でつくる実行委員会が主催。日本被団協の浜住治郎事務局長(79)の講演などがあり、約300人が核兵器廃絶へ決意を新たにした。

 浜住さんは、核兵器が使われかねない世界情勢を踏まえ、「使ってはならないという『タブー』が揺らいでいる」と指摘。原爆の記憶を継ぐ必要があると訴えた。「再び被爆者をつくるな。これが被団協の一番の思いだ」とし、核兵器廃絶や原爆被害への償いの実現へ協力を呼びかけた。

 実行委に加わった団体の代表たちも登壇。全国空襲被害者連絡協議会の黒岩哲彦運営委員長(72)は「被爆者、戦争犠牲者と協力し、戦争被害受忍論を克服したい」と訴えた。

 集いを終え、日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(93)は「運動を大きくするために、今日を出発点としたい」と語った。(宮野史康)

(2025年10月12日朝刊掲載)

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