[被爆80年] 折り鶴の山車 平和願う 19日の大竹祭で披露 住民グループ製作 「惨禍忘れず継承へ」
25年10月11日
大竹市で19日にある市内最大規模の秋祭り「大竹祭」で、折り鶴をかたどったオブジェを並べた手作りの飾り山車が登場する。住民グループの三軒家新栄会が、被爆80年の節目に来場者と平和への願いを共有したいと2カ月余りかけて製作。仕上げの作業を進めている。(和泉恵太)
折り鶴のオブジェは、高さ2メートル、幅3・6メートルと、高さ1・5メートル、幅2・6メートルの大小2種類の計6個。山車の上部の台に据え、周囲にハトの飾りや小学生が折った折り鶴を添える。後方の台車には平和記念公園(広島市中区)の原爆慰霊碑をイメージしたオブジェも置く。
大竹祭の飾り山車は、市内6地区がそれぞれのテーマで1基ずつ作る。新町3丁目と南栄1、2丁目の住民でつくる新栄会はこれまで、アニメや映画のキャラクターなどで恒例行事を盛り上げてきた。
被爆80年の今年は、製作責任者を30年以上務める中西誠三さん(70)が「あの日の惨禍を忘れず、平和への祈りを継承したい」と折り鶴を提案。メンバーも賛同した。中西さんが設計図を作り、70代を中心とする約20人が新町の元鉄工所で8月上旬から作業。山で集めた竹を使って骨組みし、新聞紙や白い紙を張った。色を塗って完成させる。
祭り当日は正午にJR大竹駅前を出発。やっこ行列やみこしを含む総勢約千人が約4時間かけて、元町の疫(やく)神社まで約2・5キロを練り歩く。高校時代から飾り山車作りに関わる新栄会の中山博雅さん(71)は「見てもらえるのはわずかな時間だが、高齢化で作り手が減る中でも熱意を持って伝統をつないでいる。若い人にも興味を持ってほしい」と願う。
(2025年10月11日朝刊掲載)
折り鶴のオブジェは、高さ2メートル、幅3・6メートルと、高さ1・5メートル、幅2・6メートルの大小2種類の計6個。山車の上部の台に据え、周囲にハトの飾りや小学生が折った折り鶴を添える。後方の台車には平和記念公園(広島市中区)の原爆慰霊碑をイメージしたオブジェも置く。
大竹祭の飾り山車は、市内6地区がそれぞれのテーマで1基ずつ作る。新町3丁目と南栄1、2丁目の住民でつくる新栄会はこれまで、アニメや映画のキャラクターなどで恒例行事を盛り上げてきた。
被爆80年の今年は、製作責任者を30年以上務める中西誠三さん(70)が「あの日の惨禍を忘れず、平和への祈りを継承したい」と折り鶴を提案。メンバーも賛同した。中西さんが設計図を作り、70代を中心とする約20人が新町の元鉄工所で8月上旬から作業。山で集めた竹を使って骨組みし、新聞紙や白い紙を張った。色を塗って完成させる。
祭り当日は正午にJR大竹駅前を出発。やっこ行列やみこしを含む総勢約千人が約4時間かけて、元町の疫(やく)神社まで約2・5キロを練り歩く。高校時代から飾り山車作りに関わる新栄会の中山博雅さん(71)は「見てもらえるのはわずかな時間だが、高齢化で作り手が減る中でも熱意を持って伝統をつないでいる。若い人にも興味を持ってほしい」と願う。
(2025年10月11日朝刊掲載)