緑地帯 瀬戸一樹 「写真でみる広島の神社」編集余話②
25年10月8日
戦前、戦後の写真と現在の写真を掲載し、広島の神社の今昔が比較できる一冊にしたい。そして、それぞれの神社の由来を記し、歩んできた歴史にも興味を持ってもらいたい。この二つが、広島県青年神職会が昨秋出版した「写真でみる広島の神社」の主な柱だ。
私は日頃、神社の歴史を調べるのが趣味だ。時には論文を書き、学会で発表することもある。ただ今回は、神社関係者だけでなく「神社にご縁がない」という方も含め、たくさんの人々の手元に届けたかった。そこで、これまで郷土史関係の書籍を多く手がけてきた広島市東区にある出版社の南々社に依頼することにした。
読者が神社の何を知りたいのか。どのような写真に興味を持つのか。はたまた、どのような文章だと読みやすいのか…。編集者の本永鈴枝さんと何度も打ち合わせを重ねた。とはいえ、日頃「神社の世界」にどっぷり漬かっている私の視点には限界があった。
各神社の神職が見どころを紹介した「神職からのメッセージ」は、本永さんの発案で追加したコーナーだ。正直、当初はスペースを割いてまで載せるべきか思案した。だが出版後、最も反響があったのは、このコーナーだ。神社の由来や行事の歴史にとどまらず、神職たちの生の声がつづられている。普段「神社にご縁がない」という方々にもきっと、神社を守ってきた人々の思いが伝わったのではないだろうか。(広島県青年神職会会長=廿日市市)
(2025年10月8日朝刊掲載)
私は日頃、神社の歴史を調べるのが趣味だ。時には論文を書き、学会で発表することもある。ただ今回は、神社関係者だけでなく「神社にご縁がない」という方も含め、たくさんの人々の手元に届けたかった。そこで、これまで郷土史関係の書籍を多く手がけてきた広島市東区にある出版社の南々社に依頼することにした。
読者が神社の何を知りたいのか。どのような写真に興味を持つのか。はたまた、どのような文章だと読みやすいのか…。編集者の本永鈴枝さんと何度も打ち合わせを重ねた。とはいえ、日頃「神社の世界」にどっぷり漬かっている私の視点には限界があった。
各神社の神職が見どころを紹介した「神職からのメッセージ」は、本永さんの発案で追加したコーナーだ。正直、当初はスペースを割いてまで載せるべきか思案した。だが出版後、最も反響があったのは、このコーナーだ。神社の由来や行事の歴史にとどまらず、神職たちの生の声がつづられている。普段「神社にご縁がない」という方々にもきっと、神社を守ってきた人々の思いが伝わったのではないだろうか。(広島県青年神職会会長=廿日市市)
(2025年10月8日朝刊掲載)