イスラエル元首相とパレスチナ元外相 広島で和平描く対話 来月パグウォッシュ会議
25年10月15日
核兵器廃絶を目指す科学者たちの国際組織「パグウォッシュ会議」が広島市中区で11月に開く世界大会に、イスラエルのオルメルト元首相とパレスチナ自治政府のアルキドワ元外相が参加する方向で調整していることが14日、分かった。パレスチナとイスラエルの和平プロセスの未来について意見を交わす。
11月4日にある非公開のセッションで、約1時間半対話する。2023年10月から続いてきたイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘を受け、同会議が企画した。
オルメルト氏は06~09年に首相を務めた。右派路線を取っていたが、後にパレスチナとの対話路線に転換。ガザへの大規模攻撃に踏み切った一方で「2国家共存」へ中東和平交渉にも臨んだ。アルキドワ氏は、外相やパレスチナ解放機構(PLO)国連代表を歴任してきた。
パグウォッシュ会議は1957年、核兵器と戦争の根絶を訴えた「ラッセル・アインシュタイン宣言」を基に発足した。同会議の議論や提言には、利害が対立する各国の政府関係者も加わり、国際社会での合意形成の土台になってきた。部分的核実験禁止条約(PTBT)や核拡散防止条約(NPT)成立にも貢献するなどし、95年にノーベル平和賞を受賞した。
広島での世界大会は、11月1~5日に広島国際会議場である。約150人が参加し、核兵器や国際情勢について幅広く議論。核軍縮の方向性を示す「広島宣言」をまとめる。(小林可奈)
(2025年10月15日朝刊掲載)
11月4日にある非公開のセッションで、約1時間半対話する。2023年10月から続いてきたイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘を受け、同会議が企画した。
オルメルト氏は06~09年に首相を務めた。右派路線を取っていたが、後にパレスチナとの対話路線に転換。ガザへの大規模攻撃に踏み切った一方で「2国家共存」へ中東和平交渉にも臨んだ。アルキドワ氏は、外相やパレスチナ解放機構(PLO)国連代表を歴任してきた。
パグウォッシュ会議は1957年、核兵器と戦争の根絶を訴えた「ラッセル・アインシュタイン宣言」を基に発足した。同会議の議論や提言には、利害が対立する各国の政府関係者も加わり、国際社会での合意形成の土台になってきた。部分的核実験禁止条約(PTBT)や核拡散防止条約(NPT)成立にも貢献するなどし、95年にノーベル平和賞を受賞した。
広島での世界大会は、11月1~5日に広島国際会議場である。約150人が参加し、核兵器や国際情勢について幅広く議論。核軍縮の方向性を示す「広島宣言」をまとめる。(小林可奈)
(2025年10月15日朝刊掲載)