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被爆者救護・医療の歩み 日誌や健康調査票など並ぶ 南区で企画展

 広島、長崎の被爆者の救護活動や調査に関する医学資料を紹介する企画展が14日、広島市南区の広島大霞キャンパスの医学資料館で始まった。医療従事者が残した被爆者の健康調査票や日誌、書籍などの実物や複製を約40点展示している。12月25日まで。

 京都大が1945年9月に広島市の牛田地区で始めた被爆者の健康調査票は被爆者自身が手書きし、体のだるさや下痢などの症状を訴えている。長崎医科大(現長崎大医学部)の調来助教授が記した「原爆被災復興日誌」は原爆で息子2人を亡くしながらも大学の学生や施設の被害状況、救護活動をつづっている。一部の複製品は手に取って見ることもできる。

 このほか、会場には被爆直後の広島と長崎で救護活動に尽力した医師たちを紹介するパネルや写真も展示している。

 被爆80年に合わせ、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)と長崎大原爆後障害医療研究所が共同で企画した。原医研の久保田明子特命准教授は「原爆に関する医療の研究は市民にあまり知られていないが、今も未解明な部分が多く、研究は続いている。一端に触れてほしい」と話している。無料。平日午前10時~午後4時。(鈴木大介)

(2025年10月15日朝刊掲載)

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