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核廃絶願う巨大壁画登場 広島空港 メキシコ人姉弟制作

 核兵器廃絶の願いを込めた巨大壁画が広島空港(三原市)に完成し、15日にお披露目された。各国で活躍するメキシコ人壁画家の姉弟が、同国と広島の友好の象徴として制作した。

 壁画はターミナルビル東側の壁面計約200平方メートルに、核廃絶を望む被爆者たちを表現。折り鶴が舞う中、「原爆の子の像」のモデルとなった故佐々木禎子さんや広島県被団協の初代理事長を務めた故森滝市郎さん、核軍縮を巡りノーベル平和賞を受賞したメキシコの外交官、故アルフォンソ・ガルシア・ロブレスさんも描いた。

 現地であった式典には、日本被団協の箕牧(みまき)智之代表委員やメキシコの駐日大使たち約150人が出席。森滝さんの次女春子さん(86)も訪れ、テープカットで完成を祝った。

 壁画家の2人は9月下旬に制作を開始した。被爆者の証言から着想を得たといい、姉のアドリー・デル・ロシオさん(41)は「壁画に込めた思いがいつまでも失われず、全ての人に届いてほしい」と願った。

 メキシコ人の父と日本人の母を持ち、非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(I(アイ)CAN(キャン))」の活動に携わったグティエレス一郎さん(47)たちが企画。空港を運営する広島国際空港の中村康浩社長は「広島の玄関口として、平和の願いを世界に発信していく」と誓った。(岩崎新)

(2025年10月16日朝刊掲載)

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