[被爆80年] AIで被爆者と「対話」 広島市の応答装置完成 26年度にも本格運用
25年10月21日
広島市は人工知能(AI)を活用し、画面上の被爆者と疑似対話できる「被爆証言応答装置」を完成させた。被爆者なき時代を見据え、証言や平和への思いを未来に残す狙い。まずは市内の学校で試験的に使ってもらい、来年度中に原爆資料館(中区)でも運用を始めたい考え。20日、協力した被爆者たちに館内で公開した。(下高充生)
装置は端末やスクリーンのセット。対話したい被爆者を端末で選ぶと、ほぼ等身大の姿が映し出される。質問されると、事前に収録されたインタビュー映像の中からAIが適切な答えを選んで動画を再生する仕組み。市は昨年11月~今年1月、被爆者5人の協力を得て、各200問超の質問に答えてもらったという。
この日は被爆者4人と、質問作りを手伝った高校生たち約20人を招いた。「どんなけがをしましたか」「どうすれば世界は平和になりますか」。高校生が問いかけると、画面上の被爆者が「額に傷を負った」「国家間の紛争の解決は話し合いでやってほしいとしつこく訴えていくしかない」と回答。参加者はスクリーンに見入っていた。
収録に協力した切明千枝子さん(95)=安佐南区=は「広島の惨状を忘れられるのが怖い。私がいなくなった後も証言が伝えられていくのならありがたい」と語った。
市は常設型2台と、貸し出し可能な可動型3台を製作。試験運用中に回答の精度や使い勝手を向上させる。事業費は6800万円。
(2025年10月21日朝刊掲載)
装置は端末やスクリーンのセット。対話したい被爆者を端末で選ぶと、ほぼ等身大の姿が映し出される。質問されると、事前に収録されたインタビュー映像の中からAIが適切な答えを選んで動画を再生する仕組み。市は昨年11月~今年1月、被爆者5人の協力を得て、各200問超の質問に答えてもらったという。
この日は被爆者4人と、質問作りを手伝った高校生たち約20人を招いた。「どんなけがをしましたか」「どうすれば世界は平和になりますか」。高校生が問いかけると、画面上の被爆者が「額に傷を負った」「国家間の紛争の解決は話し合いでやってほしいとしつこく訴えていくしかない」と回答。参加者はスクリーンに見入っていた。
収録に協力した切明千枝子さん(95)=安佐南区=は「広島の惨状を忘れられるのが怖い。私がいなくなった後も証言が伝えられていくのならありがたい」と語った。
市は常設型2台と、貸し出し可能な可動型3台を製作。試験運用中に回答の精度や使い勝手を向上させる。事業費は6800万円。
(2025年10月21日朝刊掲載)








