[被爆80年] 命つながって 4世の思い 東区の牛田中 HPで放送部作品公開 経験や視点 8分映像に
25年10月22日
広島市東区の牛田中放送部が、被爆80年の今夏に制作した映像作品「記憶をつなぐ」を学校のホームページ(HP)で公開した。被爆4世による継承がテーマ。平和発信につなげる。(神田真臣)
部員の2年勝岡英玲奈さん(14)が主人公。「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で働いていた曽祖父の衣笠正幸さん(2009年に88歳で死去)について、被爆体験を聞かされていた祖父隆幸さん(77)にインタビューした様子や被服支廠の風景を約8分間にまとめた。
曽祖父は被爆当時24歳。すさまじい光と爆音や、被服支廠に運ばれたけが人が苦しみ、亡くなる様子を記憶していた。市中心部への救助隊で共に活動した若者の30人近くが耳などから出血して次々命を奪われたとも。戦後、8月は仕事が手に付かず「どうして自分だけ生き残ったのだろう」と悔いていた。
勝岡さんは小学6年の時に平和記念式典のこども代表に選ばれ「平和への誓い」を読み上げた。被爆80年の企画を部内で練る中で、その経験や被爆4世の視点を映像作品に生かすことになった。
2、3月に被服支廠などで撮影。祖父へのインタビューには約2時間をかけた。「記憶をつないでいかなければ曽祖父の語った『全く音がせず、すごく不気味』な焼け野原がまた訪れかねない」と訴える。「生き残ってくれてありがとう。命をつないでくれたからこそ、今、私たちは生きています」という誓いの一文も作品に盛り込んだ。
一緒に出演した2年岩崎瑠里さん(14)は「被爆を直接語れる人がいなくなる中、若い世代ができる発信」とアピールする。作品はNHK杯全国中学校放送コンテストのテレビ番組部門で最優秀賞を受賞した。
(2025年10月22日朝刊掲載)
部員の2年勝岡英玲奈さん(14)が主人公。「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で働いていた曽祖父の衣笠正幸さん(2009年に88歳で死去)について、被爆体験を聞かされていた祖父隆幸さん(77)にインタビューした様子や被服支廠の風景を約8分間にまとめた。
曽祖父は被爆当時24歳。すさまじい光と爆音や、被服支廠に運ばれたけが人が苦しみ、亡くなる様子を記憶していた。市中心部への救助隊で共に活動した若者の30人近くが耳などから出血して次々命を奪われたとも。戦後、8月は仕事が手に付かず「どうして自分だけ生き残ったのだろう」と悔いていた。
勝岡さんは小学6年の時に平和記念式典のこども代表に選ばれ「平和への誓い」を読み上げた。被爆80年の企画を部内で練る中で、その経験や被爆4世の視点を映像作品に生かすことになった。
2、3月に被服支廠などで撮影。祖父へのインタビューには約2時間をかけた。「記憶をつないでいかなければ曽祖父の語った『全く音がせず、すごく不気味』な焼け野原がまた訪れかねない」と訴える。「生き残ってくれてありがとう。命をつないでくれたからこそ、今、私たちは生きています」という誓いの一文も作品に盛り込んだ。
一緒に出演した2年岩崎瑠里さん(14)は「被爆を直接語れる人がいなくなる中、若い世代ができる発信」とアピールする。作品はNHK杯全国中学校放送コンテストのテレビ番組部門で最優秀賞を受賞した。
(2025年10月22日朝刊掲載)








