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連載・特集

緑地帯 佐々木博光 アマチュア映像65年の歩み③

 被爆80年のことし、広島エイト倶楽部の被爆関連15作品を広島市映像文化ライブラリー(中区)に寄贈した。7月には同ライブラリーで上映会「地域ドキュメンタリーでふりかえる被爆80年」を開催。寄贈作の中から「ちちをかえせ ははをかえせ」「千羽鶴」「地図から消された島」「爆心地の寺」の4作品を上映した。昼の部は約170席のホールが満員となった。

 ほかの寄贈作品は「妻の貌(かお)」「父を捜して」「閉ざされた65年前の惨禍」など。本人、家族の被爆体験や地域の被爆をテーマにした作品である。

 昨年6月には同ライブラリーで上映会「アマチュア作品でふりかえる広島のスポーツ」を開いている。倶楽部の8ミリフィルム時代の作品で、1964年の東京オリンピックの聖火が広島を通った時の模様を撮った「聖火広島をゆく」や、カープ初優勝の「栄光の赤ヘル’75」などを上映し、大盛況だった。

 同ライブラリーは1982年5月1日、地方自治体で初めて、日本映画を中心としたフィルムなどを収集保存する専門施設として開館した。

 その頃、倶楽部の創設者で医師の故松原博臣・初代会長は「地域の映像文化向上に寄与する」と、ライブラリーの設立を側面から応援。松原・初代会長、川本昭人・2代目会長、3代目会長の私、佐々木も過去に自作を同ライブラリーへ多数寄贈している。(広島エイト倶楽部理事=広島市)

(2025年10月23日朝刊掲載)

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