[被爆80年] 少年の姿 ありありと 安佐北の市民劇団 来月2・3日に「口伝隊」上演
25年10月23日
稽古重ね 熱演誓う
広島市安佐北区の市民劇団「ミュージックシアターASAKITA」が11月2、3日、井上ひさし作の朗読劇「少年口伝隊一九四五」を、区民文化センター(可部7丁目)で上演する。被爆80年の節目に平和への思いを新たにしてもらおうと企画した。(金刺大五)
原爆投下直後の市中心部の街角で、ニュースを読み上げる「口伝隊」となった3人の少年たちの姿を描く。少年役の一人で高校2年の池畠優月さん(16)=安佐南区=は「廃虚の中でもたくましく生きた当時の少年たちを表現したい」と役作りに没頭する。
劇団は1995年に結成し、毎年メンバーを公募。今期は市内外の4歳から60代までの約40人が集い、7月から稽古を重ねる。放射線による急性障害に襲われる場面も劇中で描かれる。総合監督の三上慈人さん(58)=安佐北区=は「それぞれ原爆や当時の暮らしについて調べ、演技にも深みが出てきた」と実感を込める。
過去29回の公演では「天国と地獄」などクラシックの名作が中心だった。今年は「命の尊さ」をテーマに合唱劇「100万回生きたねこ」との2本立てで構成。計約2時間の舞台は、照明や美術をプロが担い、ひろしま少年少女合唱団が歌声を響かせる。
上演日によって出演者が入れ替わるダブルキャスト方式で、2日は午後6時、3日は午後2時開演。前売り券は一般2500円(当日3千円)など。問い合わせはJMSアステールプラザ事業担当☎082(244)8000。
(2025年10月23日朝刊掲載)








