×

ニュース

[戦後80年 備後] 旧満州開拓団犠牲者を悼む 世羅で「二世の会」40人が参列

 世羅郡出身者が中心となり旧満州(中国東北部)へ入植した開拓団の慰霊祭が23日、世羅町甲山の今高野山であった。開拓団の子どもたちでつくる「二世の会」が3年ぶりに開催。開拓団が帰国した日に合わせて約40人が参列し、反戦の思いを新たにした。

 犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑前で営まれた。同会の福場彰夫代表(77)=世羅町小国=が「敗戦後の混乱で集団自決したり、帰国途中に栄養失調や病気で亡くなったりした方をしのび、世界平和への草の根運動を続けていく」とあいさつした。

 世羅郡からは1939~45年に約800人が旧満州に渡った。終戦後、旧ソ連や現地の人から襲撃を受け、旧満州にあった第二世羅村では51人が集団自決するなど、約200人が帰国を果たせず亡くなったという。

 祖父が開拓団の団長だった杉山真弓さん(67)=三原市東町=は初めて参列。「祖父は帰国10年後に自責の念で自死した。父も話をしてくれず、図書館で証言集を読み当時のことを知った。平和が続くのが一番の供養」と話していた。(藤井智康)

(2025年10月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ