[被爆80年] 「生き地獄をこの目で見てきた」 平和の願い 若者に託す 入市被爆の中岡さん 三原高で講演
25年10月27日
広島に原爆が投下された当日に救護活動のため入市被爆した中岡穂子(ひでこ)さん(96)=三原市和田=が、同市宮沖の三原高で講演した。「生き地獄をこの目で見てきた。戦争は絶対にしてはいけない」と訴えた。
当時16歳で同市の看護学校で学んでいた中岡さん。看護師と一緒に広島に向かい、3日間、負傷者の救護に当たった。薬はなく、やけどの処置は水で洗い流す程度しかできず、多くの犠牲者を火葬して見送ったと振り返った。
全身に重いやけどを負った幼児が水を求めてきたエピソードを紹介。わずかな水を飲ませてあげた直後に息を引き取り、泣きながら抱きしめたという。「この苦しみを若い世代にしてほしくない。平和をずっと守ってほしい」と呼びかけた。
同校が被爆80年に合わせて平和学習として企画し、1年生約160人が耳を傾けた。槙心緒(みお)さん(15)は「当時を想像して心が苦しくなった。平和への思いを私たちが受け継いでいきたい」と話した。(岩崎新)
(2025年10月27日朝刊掲載)
当時16歳で同市の看護学校で学んでいた中岡さん。看護師と一緒に広島に向かい、3日間、負傷者の救護に当たった。薬はなく、やけどの処置は水で洗い流す程度しかできず、多くの犠牲者を火葬して見送ったと振り返った。
全身に重いやけどを負った幼児が水を求めてきたエピソードを紹介。わずかな水を飲ませてあげた直後に息を引き取り、泣きながら抱きしめたという。「この苦しみを若い世代にしてほしくない。平和をずっと守ってほしい」と呼びかけた。
同校が被爆80年に合わせて平和学習として企画し、1年生約160人が耳を傾けた。槙心緒(みお)さん(15)は「当時を想像して心が苦しくなった。平和への思いを私たちが受け継いでいきたい」と話した。(岩崎新)
(2025年10月27日朝刊掲載)








