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低線量被曝の研究報告 広島で放射線影響学会開幕

 日本放射線影響学会の大会が24日、広島市中区の広島国際会議場で始まった。アジア放射線研究会議と同時開催で20カ国・地域の研究者たち約400人が参加。26日までの日程で低線量被曝(ひばく)による人体への影響や放射線治療などの研究成果を報告し、議論する。

 大会長で広島大原爆放射線医科学研究所の田代聡教授が「放射線研究を幅広く議論、共有し、より安全で持続可能な社会を築きたい」と開会のあいさつをした。

 シンポジウムでは、放射線影響研究所(放影研、南区)の神谷研二理事長が被爆による健康影響を追跡する大規模調査を紹介。「研究データは国際的な放射線防護の基準を作る基礎になった」と強調した。国際原子力機関(IAEA)のオレグ・ベリヤコフ氏は被曝線量を評価する手法について話した。

 大会では今年発足50年を迎えた放影研の歩みを振り返るセッションなどもある。(鈴木大介)

(2025年10月25日朝刊掲載)

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