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福山の一ツ橋中 リトアニアの生徒と交流、理解進む 校内に杉原千畝展示室

生徒が資料集め 一般開放「勇気知って」

 福山市東手城町の一ツ橋中の生徒が、戦時中にユダヤ人を救う「命のビザ」を発行した外交官杉原千畝(ちうね)(1900~86年)や赴任先のリトアニアについて紹介する展示室をつくった。一般にも開放し、生徒たちは「決断した勇気を多くの人に知ってほしい」と願う。(筒井晴信)

 9月末に完成した「杉原千畝展示室」は校内の空き教室を活用し、パネル42枚を展示する。杉原の生い立ちをはじめ、ドイツでナチスが台頭しリトアニアにユダヤ人が逃れてきた時代背景、難民を逃すために杉原が日本政府の意向に反してビザ発給を決断した状況などを、写真や地図を交えて解説している。

 ユダヤ人の命を救うため杉原と同じように尽力した日本人外交官や、市が友好交流を進める同国のアリートゥス市も紹介する。

 同校の生徒は昨年から、ホロコースト記念館(御幸町)で学んだり、東京のリトアニア大使館を訪問したりしてきた。今年2月には有志によるリトアニアプロジェクトをスタート。メンバーの2、3年生20人が、杉原の生まれた岐阜県八百津町の記念館を訪ねるなどして資料を集めた。

 プロジェクト委員長の3年桑田遥菜さん(14)は「人道のため重い選択をしたすごさを感じた」。3年坂本陽向(ひなた)さん(15)は「展示が平和について考えるきっかけになればうれしい」と話している。平日の午前9時~午後4時50分、一般の見学も受け入れる。事前連絡が必要。同校☎084(941)7335。

(2025年10月25日朝刊掲載)

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