[被爆80年] 原爆孤児の人生 絵本に 真庭の吾郷さん 友田さん(大阪)に証言聞く 「命の大切さ 考えるきっかけに」
25年10月25日
9歳で原爆孤児となり、知人と海を渡って朝鮮戦争にも遭った友田典弘(つねひろ)さん(89)=大阪府=の体験を基にした絵本が30日、出版される。本人の証言を聞き取ってきた吾郷修司さん(58)=真庭市=が制作。「子どもたちにも命の大切さや原爆の非人間性を考えるきっかけにしてほしい」と願う。
「そのときぼくは9さいだった」(A4判、32ページ)。爆心地から460メートルの袋町国民学校(現広島市中区の袋町小)で体験した「あの日」を丹念に描いた。黒焦げの子どもたちが横たわる中に弟を見つけたこと、母を捜して歩いた死体だらけの街の様子…。終戦の翌9月に朝鮮半島へ渡り、15年後に帰国するまでの苦難にも触れている。
吾郷さんは長年、小学校に教諭として勤務。2016年ごろから友田さんの自宅に通い、聞き取りを重ねてきた。その半生をまとめた書籍を19年に刊行。子どもたちにも伝えたいと、絵本化を企画した。24日、市役所で記者会見した吾郷さんは「孤児になり、話しかける相手さえいなくなった友田さんの言葉にならない心情を考えながら作った」と語った。
作画は絵本作家の小泉るみ子さん。県内の主要書店などで販売する。新日本出版社刊。1870円。(下高充生)
(2025年10月25日朝刊掲載)
「そのときぼくは9さいだった」(A4判、32ページ)。爆心地から460メートルの袋町国民学校(現広島市中区の袋町小)で体験した「あの日」を丹念に描いた。黒焦げの子どもたちが横たわる中に弟を見つけたこと、母を捜して歩いた死体だらけの街の様子…。終戦の翌9月に朝鮮半島へ渡り、15年後に帰国するまでの苦難にも触れている。
吾郷さんは長年、小学校に教諭として勤務。2016年ごろから友田さんの自宅に通い、聞き取りを重ねてきた。その半生をまとめた書籍を19年に刊行。子どもたちにも伝えたいと、絵本化を企画した。24日、市役所で記者会見した吾郷さんは「孤児になり、話しかける相手さえいなくなった友田さんの言葉にならない心情を考えながら作った」と語った。
作画は絵本作家の小泉るみ子さん。県内の主要書店などで販売する。新日本出版社刊。1870円。(下高充生)
(2025年10月25日朝刊掲載)








