[被爆80年] 石碑 宗教超え平和発信 広島の法縁寺 3日披露
25年10月28日
ダライ・ラマ 慈愛に満ちた世界を
ローマ教皇 核保有倫理に反する
宗教を超えて平和のメッセージを発信する被爆80年の石碑が11月3日午後5時、広島市中区本川町の法縁寺で披露される。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が今年の8月6日に合わせて寄せた言葉と、2019年に平和記念公園(中区)を訪れた当時のローマ教皇フランシスコの演説の一部を刻んだ。
石碑は大理石で高さ114センチ、幅75センチ、重さ120キロ。ダライ・ラマ14世は「暴力のないより慈愛に満ちあふれた平和な世界の創造を」などと呼びかけた。教皇フランシスコの演説は「核兵器の保有もそれ自体が倫理に反しています」などを抜粋した。
米ニューヨークを拠点に活動する浄土真宗僧侶の中垣顕実(けんじつ)さんやカトリック広島司教区の白浜満司教たちが企画した。当日のお披露目にはチベットの僧侶も参加し、企画メンバーで中区出身のシンガー・ソングライター原田真二さんの演奏などがある。
法縁寺には戦後の整地作業で見つかった原爆犠牲者の引き取り手のない遺骨を使った「無縁骨仏(こつぶつ)」があることから、石碑の設置場所に決まった。同寺僧侶の大森顕乗(けんじょう)さん(40)は「ヒロシマを通じて平和を願う気持ちを共通に持つ2人の思いを感じてほしい」としている。(藤村潤平)
(2025年10月28日朝刊掲載)








