地域の安全保障を議論 パグウォッシュ会議3日目 イラン元副大統領が講演
25年11月4日
核兵器廃絶を目指す科学者たちの国際組織「パグウォッシュ会議」は3日、広島市中区の広島国際会議場で世界大会の3日目の議論を進めた。この日は地域別の議題で、中東、欧州、北東アジアの平和と安定を阻む課題を非公開で取り上げた。
かつてイラン外相として米欧との核交渉を担ったザリフ元副大統領が講演。核開発問題を巡る国連制裁の再発動に対し、「平和的な核計画」だと主張した。イスラエルと米国による6月のイラン核施設などへの空爆を非難し「知識や技術は根絶できない。米国は交渉へ軸足を移すべきだ」と強調した。
欧州の安全保障がテーマの討論では、ウクライナのクリムキン元外相とロシアの研究者が壇上に並んだ。登壇者から、ロシアのウクライナ侵攻で「核保有国が非保有国の領土を奪う結果になれば、非保有国は核保有を目指しかねない」との意見が出た。来年2月に期限切れが迫る米ロ間唯一の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」の交渉を信頼と安定のてこにすべきだとの指摘もあった。
北東アジアの安全保障環境は、順天堂大の藤原帰一特任教授たちが議論した。中国、日本、韓国と米国が北朝鮮の核問題を巡って進めるべき外交努力を探った。パレスチナと共存する「2国家解決」を求めるイスラエル国防軍の元将校も講演した。(金崎由美)
(2025年11月4日朝刊掲載)
かつてイラン外相として米欧との核交渉を担ったザリフ元副大統領が講演。核開発問題を巡る国連制裁の再発動に対し、「平和的な核計画」だと主張した。イスラエルと米国による6月のイラン核施設などへの空爆を非難し「知識や技術は根絶できない。米国は交渉へ軸足を移すべきだ」と強調した。
欧州の安全保障がテーマの討論では、ウクライナのクリムキン元外相とロシアの研究者が壇上に並んだ。登壇者から、ロシアのウクライナ侵攻で「核保有国が非保有国の領土を奪う結果になれば、非保有国は核保有を目指しかねない」との意見が出た。来年2月に期限切れが迫る米ロ間唯一の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」の交渉を信頼と安定のてこにすべきだとの指摘もあった。
北東アジアの安全保障環境は、順天堂大の藤原帰一特任教授たちが議論した。中国、日本、韓国と米国が北朝鮮の核問題を巡って進めるべき外交努力を探った。パレスチナと共存する「2国家解決」を求めるイスラエル国防軍の元将校も講演した。(金崎由美)
(2025年11月4日朝刊掲載)








