核の脅威減らす科学者の役割は パグウォッシュ会議 公開討論に200人
25年11月3日
核兵器廃絶を目指す科学者たちの国際組織「パグウォッシュ会議」は2日、広島市中区の広島国際会議場で世界大会を続けた。核の脅威を減らすための科学者の役割をテーマにした公開討論があり、市民を含め約200人が聞いた。
登壇した4人のうち米プリンストン大名誉教授のフランク・フォン・ヒッペル氏は、部分的核実験禁止条約(PTBT)や弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約などができた過程を振り返った。背景には科学者の貢献もあったとし「政治的な活動と科学的知見が合わさった成果だ」と強調した。
慶応大名誉教授の小沼通二(みちじ)氏は、来年秋に特殊法人へ移行する日本学術会議に言及した。政府から間接的な介入を受ける恐れがあるとし「軍事研究と距離を置いてきた私たちの精神が失われてしまう」と述べた。
壇上にはイスラエルとロシアの核拡散問題などの研究者も並んだ。会場にいたパレスチナからの参加者がイスラエルの研究者に対し、パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の攻撃を踏まえ「科学者として倫理的責任がある」と問いただす場面もあった。
大会2日目のこの日は、「核兵器削減の緊急性」などの討議や「核戦争の影響」と題した気候学者の講演もあった。(小林可奈)
(2025年11月3日朝刊掲載)
登壇した4人のうち米プリンストン大名誉教授のフランク・フォン・ヒッペル氏は、部分的核実験禁止条約(PTBT)や弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約などができた過程を振り返った。背景には科学者の貢献もあったとし「政治的な活動と科学的知見が合わさった成果だ」と強調した。
慶応大名誉教授の小沼通二(みちじ)氏は、来年秋に特殊法人へ移行する日本学術会議に言及した。政府から間接的な介入を受ける恐れがあるとし「軍事研究と距離を置いてきた私たちの精神が失われてしまう」と述べた。
壇上にはイスラエルとロシアの核拡散問題などの研究者も並んだ。会場にいたパレスチナからの参加者がイスラエルの研究者に対し、パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の攻撃を踏まえ「科学者として倫理的責任がある」と問いただす場面もあった。
大会2日目のこの日は、「核兵器削減の緊急性」などの討議や「核戦争の影響」と題した気候学者の講演もあった。(小林可奈)
(2025年11月3日朝刊掲載)








