ノーベル賞までの苦難語る パグウォッシュ会議開幕 平和賞4団体代表が討論
25年11月2日
広島市中区で1日に開幕したパグウォッシュ会議世界大会で、日本被団協などノーベル平和賞を受賞した4団体の代表がパネル討論した。受賞に至るまでの苦難や、安全保障に影響を与える先端技術について語った。(小林可奈)
日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員は、被爆者たちが体験を語ることすらままならなかった戦後の占領下を経て同団体が設立された経緯を説明。昨年の授賞式で、原爆死没者への償いに対する日本政府の姿勢を反復した点に触れ「亡くなった人たちの魂がすっと入ってきて、私の心と口を動かしたのでは」と振り返った。
パグウォッシュ会議の鈴木達治郎評議員は、ラッセル・アインシュタイン宣言を基に同会議が設立された経緯を解説。1995年に共同受賞したジョゼフ・ロートブラット会長(当時)による「日本の憲法9条を守り、世界に広めてほしい」というメッセージを紹介した。
人工知能(AI)に言及したのは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のルース・ミッチェル代表理事。軍事利用の拡大を懸念し「AIを指揮統制系統から排除しなければならない」と警鐘を鳴らした。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))共同創設者のティルマン・ラフ医師は、自国のオーストラリアが南太平洋非核地帯条約に加盟しながら米国の「核の傘」に依存する政策を堅持し、軍事面で米核戦略との一体化が進む現状を説明した。その上で「核兵器禁止条約への署名こそがわが国に求められる役割だ」と批判した。
(2025年11月2日朝刊掲載)
日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員は、被爆者たちが体験を語ることすらままならなかった戦後の占領下を経て同団体が設立された経緯を説明。昨年の授賞式で、原爆死没者への償いに対する日本政府の姿勢を反復した点に触れ「亡くなった人たちの魂がすっと入ってきて、私の心と口を動かしたのでは」と振り返った。
パグウォッシュ会議の鈴木達治郎評議員は、ラッセル・アインシュタイン宣言を基に同会議が設立された経緯を解説。1995年に共同受賞したジョゼフ・ロートブラット会長(当時)による「日本の憲法9条を守り、世界に広めてほしい」というメッセージを紹介した。
人工知能(AI)に言及したのは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のルース・ミッチェル代表理事。軍事利用の拡大を懸念し「AIを指揮統制系統から排除しなければならない」と警鐘を鳴らした。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))共同創設者のティルマン・ラフ医師は、自国のオーストラリアが南太平洋非核地帯条約に加盟しながら米国の「核の傘」に依存する政策を堅持し、軍事面で米核戦略との一体化が進む現状を説明した。その上で「核兵器禁止条約への署名こそがわが国に求められる役割だ」と批判した。
(2025年11月2日朝刊掲載)








