×

ニュース

識者や市民団体 トランプ氏批判 「核実験」発言巡り

 トランプ米大統領が国防総省へ核実験の開始を指示したと30日に交流サイト(SNS)に投稿したのを受け、一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」(東京)は31日、オンラインで記者会見した。核問題の専門家たち5人が発言。核兵器を脅しの材料に使っているとして、トランプ氏の姿勢を批判した。

 非政府組織(NGO)ピースボートの川崎哲(あきら)共同代表は、問題の投稿を「よく考えられた発言ではないだろう」とした上で、「世界の命運がかかることを軽々しく言うことが問題だ」と強調。「核爆発実験をしないという国際規範を崩しかねない」と非難した。

 日本反核法律家協会の大久保賢一会長は「使わない兵器のための実験はあり得ず、使用が念頭にある」と指摘。米国も加盟する核拡散防止条約(NPT)が「核戦争が全人類に惨害をもたらす」と明記する点に触れ「惨害と引き換えに何を得るのか」と語気を強めた。

 NPO法人ANT―Hiroshima(広島市中区)の渡部朋子理事長は、木原稔官房長官が記者会見で「逐一、コメントは控える」と述べたことを踏まえ、「政府は弱腰だ。言うべきことは言うべきだ」と訴えた。(下高充生)

(2025年11月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ