×

ニュース

[被爆80年] 「ヒロシマ」鎮魂の祈り 広響「ディスカバリー」公演

 広島交響楽団は31日、広島市中区のJMSアステールプラザで、被爆80年公演「シン・ディスカバリー・シリーズ」を開いた。戦後に活躍した作曲家大木正夫による交響曲第5番「ヒロシマ」(1953年)を、広響として初めて演奏。被爆直後の惨状を描いた旋律に鎮魂の祈りを込めた。

 「ヒロシマ」は、丸木位里・俊夫妻の連作絵画「原爆の図」をモチーフに、「幽霊」「火」「悲歌」などで構成する全8楽章の交響曲。クリスティアン・アルミンク音楽監督の指揮で、三上亮コンサートマスターをはじめ、各パートが心に響く荘厳なハーモニーをつくりあげた。

 後半は一転、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」で華やかに幕を閉じた。ロビーには「原爆の図」のパネル5枚を展示。アルミンク音楽監督による曲の解説もあった。中国新聞社などの主催。約600人が鑑賞した。(桑島美帆)

(2025年11月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ