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早稲田ジャーナリズム大賞 被爆80年企画 本紙に奨励賞 ヒロシマ ドキュメント

 早稲田大は12日、優れた報道活動を顕彰する「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の本年度の授賞作品を発表した。2部門の計5作品で、公共奉仕部門の奨励賞に中国新聞社の被爆80年企画「ヒロシマ ドキュメント」を選んだ。12月4日に東京の大隈記念講堂で贈呈式を開く。

 早大出身で、ジャーナリストや政治家として活躍した元首相の名を冠した賞は本年度で第25回。応募・推薦があった144作品の中から、大賞3作品と奨励賞2作品を決めた。中国新聞社関連では、2002年度の第2回に公共奉仕部門の大賞を受けた「21世紀 核時代 負の遺産」以来23年ぶり2件目となる。

 「ヒロシマ ドキュメント」の取材班は昨年8月5日に連載を始め、1945年の被爆後の広島を写真や手記、日記などを基に暦に沿って年末まで毎日追った。46年以降の市民の歩みもたどり、今に続く核時代の教訓を考えた。25年度の日本新聞協会の新聞協会賞と、日本ジャーナリスト会議(JCJ)のJCJ賞も受賞している。

 早大は授賞理由で、「原爆投下後の実態を生々しくよみがえらせた。被爆者と広島の戦後を、さまざまな運動と人々の証言を織り込みながら徹底的に描き出そうとした」などと評価した。

 他の授賞作品は次の通り。(敬称略)

 【公共奉仕部門】大賞=兵庫県知事選等めぐるキャンペーン報道(TBSテレビ報道特集、取材チーム)、移民・難民たちの新世界地図―ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録(村山祐介)【草の根民主主義部門】大賞=映画「能登デモクラシー」(石川テレビ放送、五百旗頭幸男)◇奨励賞=鍬を握る 満蒙開拓からの問い(信濃毎日新聞社取材班)

(2025年11月13日朝刊掲載)

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