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戦争は重大な犯罪 マハティール元首相が講演 若者に平和貢献促す

■記者 田中美千子

 マレーシアのマハティール元首相(83)が5日、平和記念式典への参列のため広島市入りし、中区のアステールプラザで講演した=写真。「戦争は重大な犯罪だ」と強調。若者に期待する平和活動として、インターネットを使った仲間づくりなどの具体策を提言した。

 「青少年国際平和未来会議」の特別講演で、国内外の若者たち約350人が参加した。マハティール元首相は、新型核の開発や核拡散が進む国際情勢に懸念を表明。「市民を犠牲にする戦争は非合法で、道徳に反している。戦争を問題解決の手段とみなすのは誤っている」と訴えた。

 真剣なまなざしを向ける若者を「長い時間がかかるが、平和構築への貢献に期待する」と激励。各国で取り組む具体策として、インターネットを生かした平和活動の仲間づくり▽原爆展の開催▽政治家への働き掛け―などを挙げ、「多くの犠牲者を出したヒロシマから、一歩を踏み出そう」と呼び掛けた。

 この日は原爆資料館(中区)も訪れた。福岡県内で4日にあった講演会のために来日。本人の希望で広島へ立ち寄った。

(2009年8月6日朝刊掲載)

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