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国是 非核三原則 岸田氏ら4人「堅持」の立場 見直し検討巡り 広島地盤の自民国会議員

「議論必要」の声も 協議注視

 高市早苗首相が国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に伴い、非核三原則の見直しを検討していることを巡り、被爆地広島を地盤とする自民党国会議員8人のうち岸田文雄元首相(広島1区)ら4人は、17日までの中国新聞の取材に、堅持すべきとの立場を示した。「議論は必要」との議員もおり、近く始まる党内協議が注視される。(堀晋也、秋吉正哉、宮野史康)

 岸田氏はこの日、首相の見直し検討について「報道に基づく推測で物を申し上げることは控える」とした上で、自身の立場は「従来、私の政権の時から申し上げている」と強調。歴代政権が核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を国是として堅持してきた考えと、何ら変わらない姿勢を示した。

 高市首相は、「持ち込ませず」の概念が米国の核抑止力の実効性を低下させかねないと懸念しているとされる。政府は現在、2010年に当時の岡田克也外相が「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと、日本の安全が守れないならば、その時の政権が命運を懸けてぎりぎりの決断をし、国民に説明すべきだ」とした国会答弁を継承している。

 宮沢洋一氏(参院広島)は、この岡田氏の答弁に触れ「見直すメリットがあると思われない」とし、「あえて今、見直さなくても良い」と述べた。平口洋法相(広島2区)は「三原則は守ってもらいたい」、被爆2世の寺田稔氏(比例中国)も「決して見直すべきではない」と断言した。

 一方で、石橋林太郎氏(同)は「議論して、必要なら見直すべきだ」と語る。三原則が国会で表明された1967年当時と比べて国際情勢が悪化した点を理由に挙げた。

 このほか3人は堅持すべきか否かに触れなかった。新谷正義氏(同)は「核廃絶に向けて何が必要かを一つ一つ考えていかないと」と述べ、西田英範氏(参院広島)は「制定の理念は大切にしたい。国民が核兵器によって命を危険にさらされることがないよう考えたい」と答えるにとどめた。小林史明氏(広島6区)は「(首相が)何を検討しようとしているか分からないのでコメントしようがない」とした。

(2025年11月18日朝刊掲載)

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