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安らかに 願い託し 広島でとうろう流し

■記者 加田智之

 原爆犠牲者の鎮魂と平和の願いを込めたとうろう流しが6日夜、広島市中区の元安川などであった。ろうそくをともした赤、黄、青など約9千個のとうろうが川面を染め、深い祈りに包まれた。

 両岸や元安橋から多くの人が見守る中、平和へのメッセージを乗せたとうろうが光の帯となって流れ出た。

 「母はどこで亡くなったか分からない。遺骨もない」。西区の松田冨士江さん(84)は手を合わせた。とうろうには「世界平和を頼みます」と書いた。

 駐日デンマーク大使のフランツ=ミカエル・スキョル・メルビン氏は、核拡散に反対する自作のリストバンドを着けて参加した。6日早朝、北朝鮮などの核開発に抗議して富士山に登ったばかり。「核拡散に抗議するため、どうしても6日に広島に来たかった」と話していた。

(2009年8月7日朝刊掲載)

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