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被爆者の叫び 北米巡り撮影 広島で映画上映

■記者 桑島美帆

 メキシコ在住のフリーの映像作家竹田信平さん(30)が、米国やカナダに住む被爆者を撮影し、ドキュメンタリー映画「ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード」をつくった。8日午後6時から、広島市中区の原爆資料館東館で無料試写会を開いた。

 竹田さんが友人と一緒にドライブしながら被爆者を訪ねるロードムービー。広島で被爆し、建物疎開に出ていた13歳の妹を失った山岡明さん(80)=サンフランシスコ市在住=ら5人の被爆証言を収録した。「壮絶な体験をどう受け止めればいいのか」など竹田さんらの戸惑いも描く。

 竹田さんは2001年に米デューク大を卒業後、5年前から米国や南米各国で在外被爆者を撮影。これまで約50人の証言を撮り終え、一部を国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市)に収めている。

 竹田さんは「周囲の理解を得られず、悲しみや怒りを封じ込めて生きてきた人が多い。原爆が人間にもたらしたことを同世代や若い世代に考えてほしい」と話している。

(2009年8月8日朝刊掲載)

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