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米大統領 今秋来日 広島・長崎訪問は困難

 外務省幹部は7日、シンガポールで11月中旬に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて調整しているオバマ米大統領の初来日に関し、被爆地の広島、長崎両市訪問は困難との見通しを示した。理由として「日本以外にもいくつかの国を訪れる。広島、長崎に行くには、日本の滞在時間が足りない」と述べた。

 原爆投下をめぐっては米国内で肯定的な意見が根強い。大統領の被爆地訪問が投下の是非論に発展し、米国世論の反発を招きかねないとの懸念も背景にありそうだ。

 オバマ大統領は4月にプラハで演説し「核のない世界」を提唱。ロシアとの間で核軍縮交渉にも着手し、積極的に取り組む姿勢を示している。こうした情勢を受けて河野洋平前衆院議長や民主党の鳩山由紀夫代表らが大統領に被爆地訪問を要請する意向を示すなど日本国内で期待感が高まっていた。

 外務省幹部は広島、長崎両市の市民の間に大統領訪問を求める声があることに理解を示し「最終的には大統領の判断だ」と指摘した。

(共同通信配信、2009年8月8日朝刊掲載)

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