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国が控訴取り下げ 原爆症訴訟 一審勝訴 原告38人分

■記者 岡田浩平

 原爆症認定集団訴訟で、国は11日、一審で勝訴した原告38人の控訴を一括して取り下げた。原告側と6日に広島市で交わした訴訟解決に向けた「確認書」に沿う措置。それぞれの一審判決が確定し、厚生労働省は原爆症の認定手続きを急ぐ。

 法務省が、広島や福岡など5高裁に控訴取り下げを書面で届け出た。38人は骨粗しょう症や糖尿病、原爆投下13日後に入市してがんを発症した事例など。厚労省は、被爆者医療分科会で認定審査をする通常の手続きではなく、確定判決に従うよう求める行政事件訴訟法に基づき認定する。健康局総務課は「できるだけ早く認定したい」と説明している。

 一方、未認定の原告10人全員を原爆症と認めた3日の熊本地裁判決は、17日の期限までに国が控訴せず確定させる。

 これで原告306人のうち245人が認定されることになる。全国原告団の山本英典団長(76)は「誠意ある対応だ。さらなる被爆者救済にも期待したい」と話している。

(2009年8月12日朝刊掲載)

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