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原爆資料館でインターンシップ 平和活動担う 通訳者目指す 松山さん

■記者 武内宏介

 米・カリフォルニア州のモントレー国際大大学院に通う松山彩乃さん(24)が14日、原爆資料館(広島市中区)でのインターンシップを終える。翻訳や通訳業務を通して、核兵器廃絶の大切さを再認識。核兵器廃絶や紛争解決に向けた会議や交渉で活躍する通訳者を目指す。

 13日は、原爆に関する本を執筆するために資料館を訪れたオーストラリア人記者の取材を手助けした。当時、両親ときょうだい4人を失った川本省三さん(75)=西区=の体験を、ノートに書き留めながら訳した。

 母の古里の広島市で生まれ、東京で育った。被爆死した親類もいる。父の転勤で、5歳からはジョージア州アトランタで暮らす。

 「平和に貢献する通訳者になるには、ヒロシマを学ぶことが欠かせない」。大学院からのインターンシップの紹介を迷わず受けた。

 6月上旬から働く傍ら、被爆者の証言を聞き、展示をつぶさに見学。母校の大学に、原爆展開催を求める電子メールを送った。

 10週間のインターンシップを終えて「原爆の悲劇は、今も起こり得ると実感した。人ごとではなく、命の尊さを訴えていきたい」と話す。15日から長崎市を訪れ、20日に米国へ戻る。

(2009年8月14日朝刊掲載)

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