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原爆ドーム情報網羅へ 広島市、来年データベース化

■記者 東海右佐衛門直柄

 広島市は来年3月、原爆ドーム(中区)の「データベース」をホームページ(HP)に開設する。被爆地を象徴する世界遺産の歴史や保存技術、写真などを、自由に閲覧できるよう関連情報を一元化。ヒロシマ研究や修学旅行の事前学習、観光ガイドづくりの基本情報として役立ててもらう。

 ドームの前身である広島県産業奨励館の歴史、被爆直後の写真のほか、1967年と1989~90年、2002~03年の過去3回のドーム保存工事の概要を掲載。普段入れないドーム内部の補強技術の解説写真や、内壁を360度見渡すパノラマ画像も加える。

 市には平和学習の一環としてドームの模型を作る児童、生徒からの問い合わせも多い。データベースでは正確な図面や寸法、模型の作成方法を盛り込む。

 市は2006年、ドーム内壁の写真データや劣化状況、保存工事の内容、学術論文などの情報をまとめた電子管理システムを構築し、管理を担当する公園整備課の職員が内部で活用してきた。

 データベースではこの管理用データを、論文など専門性の高い情報を除いて公開し、HP上の関連情報も一元化する。将来は、3次元画像や保存技術に関する文献も入力する。公園整備課は「ドームのあらゆる情報を網羅するデータベースにしたい」としている。

(2009年8月21日朝刊掲載)

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