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7ヵ国と日本の医学生討論 広島 

■記者 桑島美帆

 アジアや南米、欧州の7カ国10人の医学生たちが広島で、原爆被害の実情や放射線の人体影響について学んでいる。20日は広島市中区の市青少年センターで、国内の医学生18人を交え、核情勢をめぐり意見交換した。

 ネパールの医学生ビショウ・アルヤルさん(26)は「南アジアでは常に、核攻撃の危険性を身近に感じる。だからこそ近隣政府や人々に核放棄を訴える必要がある」と強調した。エジプトで学ぶマレーシア出身のナディア・モド・ダマンフリさん(20)は「広島で被爆したマレーシア人がいることを今回初めて知った。ヒロシマは身近な問題だ」と述べた。

 日本人学生は福島県立医科大の五十嵐江美さん(20)ら3人が、原爆問題への若者の関心が薄い国内事情を報告し「被爆国が積極的に核兵器廃絶の世論づくりに取り組まなければならない」と訴えた。

 医学生たちは国際医学生連盟日本が主催する夏合宿に参加し、18日から広島に滞在。21日午前には中区の広島赤十字・原爆病院を訪れ、被爆直後に広島の医師が集めた病理学標本を見学した。

 さらに22日午前8時半から中区の広島国際会議場で、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)学生部と公開シンポジウムを共催。医学生の立場から核兵器廃絶と平和に向けた取り組みを考える。

(2009年8月21日夕刊掲載)

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