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被爆体験聞いて広めて 「ひろしま国」展で那須さん講演

■記者 吉原圭介

 「ひろしま国」展を開催している横浜市中区の日本新聞博物館で28日、「ズッコケ三人組」シリーズで知られる児童文学作家、那須正幹さん(67)=防府市=が講演した。約50人を前に、自らの被爆体験や原爆関連作品を手掛けた思いをユーモアも交えて語った。

 那須さんは3歳のとき、現在の広島市西区己斐本町の自宅で被爆した。焼け跡から盗んできた人にもらったミカンの缶詰の味が忘れられないという。子どものころは大きな音が鳴ると押し入れに逃げていたと打ち明け、「意識していなかったが、原爆がトラウマになっていたと思う」と話した。

 デビュー後に先輩作家の勧めで、佐々木禎子さんを取り上げたノンフィクション「折り鶴の子どもたち」を書いたことや、絵本「広島の原爆」を手掛けた経緯も明かし、「日本は被爆国。日本人はみんな被爆者だと思って被爆体験を聞き、広めてほしい」と呼び掛けた。

 29日は日本紛争予防センターの瀬谷ルミ子事務局長が講演する。ひろしま国展は9月23日まで(月曜休館)。Tel045(661)2040。

(2009年8月29日朝刊掲載)

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