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被爆クスノキを「治療」 三篠小のシンボル 樹齢100年

■記者 東海右佐衛門直柄

 広島市西区の三篠小の校庭にある被爆クスノキが樹木医の「治療」を受けることが決まった。児童や教員は学校のシンボルの回復を祈っている。

 クスノキは高さ約12メートル。幹回りは約2.5メートル。樹齢は約100年とされる。木陰は児童の憩いの場で、他校の児童、生徒も平和学習に訪れる。周囲の地面が踏み固められ、根に水分が届きにくくなった影響で、10年ほど前から枝の一部が枯れるなどの衰えが目立っていた。

 同小から相談を受けた市は西区の樹木医に治療を依頼した。計画では気候が治療に適した来年2月、根元を掘って、根腐れの有無を診断。堆肥(たいひ)や木炭粉などを混ぜた土で埋め戻す。腐葉土を敷き、踏み固められるのを防ぐ。

 クスノキは被爆当時、爆心地から約1.8キロの民家にあった。道路拡幅工事のため1954年に約150メートル西の同小へ移植された。須田幸三校長は「クスノキを見にくる卒業生も多い。被爆で傷つきながらも、生徒を見守ってくれた木をずっと残したい」と話している。

(2009年9月5日朝刊掲載)

 

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