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北朝鮮「ウラン濃縮成功」 安保理に書簡 制裁強化に警告

 北朝鮮の国連代表部は3日、国連安全保障理事会議長に書簡を送り、制裁への対抗措置として進めているウラン濃縮実験について「成功し(開発は)最終段階に達した」と表明した。核施設再稼働で抽出したプルトニウムも「武器化されている」と主張、制裁が続けば「別の強硬対応措置を講じざるを得なくなる」と警告した。朝鮮中央通信が4日伝えた。

 2回目の核実験を受けた安保理の制裁強化の決議を認めず、従来のプルトニウムだけでなく、ウラン濃縮による核開発などで対抗する姿勢をあらためて鮮明にした形。具体的な措置には言及しなかったが、実験継続や長距離弾道ミサイル試射を想定している可能性がある。

 6カ国協議再開などに向け米国の北朝鮮担当、ボズワース特別代表が3日に日中韓歴訪を始めており、この動きをけん制し、米国との対話を軸に事態打開を目指す構えを示唆したとみられる。

 北朝鮮製武器を積んだバハマ船籍のイラン向け貨物船がアラブ首長国連邦(UAE)で拿捕(だほ)されたことに関連した制裁委員会の釈明要求については「必要性を感じない」と拒否、拿捕への初めての公式反応を示した。

 書簡は「わが国の自主権と平和的な発展をじゅうりんするのに利用された6カ国協議の構図に反対したのであり、朝鮮半島非核化と世界の非核化自体を否定したことはない」と強調。「朝鮮半島の非核化は米国のわが国への核政策と密接に関連している」とした。

(共同通信配信、2009年9月5日朝刊掲載)

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